酵母

下は2018年春の記事です。
ブログを整理していたところ、何故か、
また新しい記事としてアップされてしまいました。
実は先日、わたしのうっかりミスで
酵母をかなりの高温状態に置いてしまい、
もはや全滅?!と血の気が引いた、ということが
ありました。
しかし気を取り直し、酵母をとりわけ、
ほんとにごめんなさいと謝りながら
培地(栄養の液)に入れて、適温に置いておくと
翌日にはすっかり元通り。
気が緩んでいたところを、
「もっとちゃんと見て!」と
酵母に戒められたのかな、と思うような
出来事でした。
酵母の生命力は強いです。
そして何というか、
待ってくれる優しさがあります。
時間や仕事に追われる日々の中で
ヒヤッとしましたが、酵母のおおらかさ?に
心がじんわりした出来事でした。
ちょっと余談でした。
2年前は酵母の育て方などについて
自分で試行錯誤してました。
今はローカル酵母の研究室での
お仕事の機会をいただき、
以前より酵母への理解が深まったと感じます。
そのような機会をいただけたことに
本当に感謝しています。

一昨年、駅前の商店街にお店を出してから
それまでより沢山のパンを焼きました。
パン焼き以外でも多忙になり、それと同時に
パンの味が思うようにいかないと
感じることが出てきました。
どこか上手く行かないもどかしい感じを
抱えながら、なぜだろうと考えていたのですが
発酵をもっと知りたいと調べているところで
同じ酵母でパンを焼き始めた方と
お話する機会があり、
ひとつヒントを見つけました。

簡単に言えば
・酵母の特性を知る
・酵母の様子をよく見る(香り・味・状態など)
・酵母の好きな環境を与えてあげる
・自分が酵母だったらとちょっと考えてみる
   (心地よくしてあげるということですね)
というようなこと。

自分自身に余裕が無くて見えていなかった、
酵母を過信して手をかけていなかった、
そういう事に気付きました。
今は毎日何度も酵母を見て、
酸素やエサを補充してみています。
そうすると酵母もシュワシュワしたり
プクプクしたり嬉しそう。
私も嬉しくなります。

他にも酵母の過ごす場所の気温や湿度、
水分の加減、パン生地の温度、こね具合、
発酵の環境など挙げればきりがなく、
いつもいつも良い状態にするのは難しい。
やはり自然界の生き物なので、
こちらの思う通りになると考えるのも何だか

おこがましく感じます。


なかなか納得できるパンにはなりませんが、
こうやって生きているものと付き合っている
それがとても面白くて、やめられなくて、
パンを焼き続けている理由のひとつなのだと
思います。

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